部品作成・部品調達を効率化する5つのポイント

部品ライブラリ作成って面倒ですよね…。
CADにより概念も作成方法も違うことで設計者に多くのストレスを与えます。
ここでは部品作成時の5つのポイントをご紹介し、作成の手戻りがないようにします。

目次

Quadceptの部品の概念

電子CADでは部品作成の概念が若干異なり、CADリプレースには混乱をきたします。
まずはQuadceptでの部品の概念を理解しましょう。

2つの構成からなるQuadcept部品

Quadceptの部品は簡単にいうと、2つから構成されています。
部品とは『形状(シンボル+フットプリント)』+『属性』で構成されます。

2つの構成からなるQuadcept部品

Quadceptの部品登録画面

Quadceptの部品作成画面に置き換えてみます。

先ほど部品は『形状+属性』で構成されていると説明しました。
以下はQuadceptの部品登録画面になります。
部品作成画面で予め作成していたシンボルとフットプリント形状を登録、部品属性を中央部分に入力します。

今回の場合:部品MCR03ERPF3001=シンボル『R_1』フットプリント『0603』+属性(メーカー名/品番など)

Quadceptの部品登録画面

部品、シンボル形状、フットプリント形状の命名規則

参考例

部品名:MCR03ERPF3001 シンボル名(回路):R_1 フットプリント名(PCB):0603

部品名

部品名は型番であるMCR03ERPF3001を使用することが多いです。
部品は調達時を考慮すると品番で登録することが多いようです。
抵抗やコンデンサなどの受動部品はシンボルとフットプリント形状は同じ名前にすることが多いと思います。
この場合、回路図上で検索する部品名としてはMCR03ERPF3001になります。

回路部品に登録するシンボル名

抵抗などの受動部品シンボルは汎用して使用するので、今回、シンボル名は『R_1』としています。
このシンボルの『R_1』はROHM社でもPanasonic社、MURATA社でも同じなので汎用して使用します。
名前はRESとかRでもいいと思います。

ただしICなどは同じような形状でもパッド形状やピン配置が異なる場合もあり、単純な名前では重複するので品番名にする会社も多いようです。

プリント基板上で使用するフットプリント名

今回の0603形状も各社同形状になります。

繰り返しになりますが、受動部品への命名規則です。
フットプリントの場合は形状が理解できるような名前で登録している企業が多くみられます。

例えば、1608、2125、QFP64などです。ICはパッド形状やメタルマスク形状が異なる場合があるので、QFP64+ピッチ(サイズ)がわかるような名前で登録する場合もあります。

回路部品作成時の属性は何が必要か?

次に回路部品に登録する『属性情報』ですが、これも受動部品やICなど部品により登録する情報が異なります。

QuadceptはDigi-Key社、Mouser Electronics社、Chip1Stop社、RS Components社、コアスタッフ社との部品データベース連携をしているので検索して属性を追加することができます。

ここで大事なのは、情報をたくさん入力することは部品検索対象になり、選定は便利になり、部品表作成時もより多くの情報を出力できるので良さそうに見えますが、逆に部品作成時に登録内容が多くなり大変です。

このあたりの作業量を考慮し登録属性も決めていくことが必要です。

最低限の属性登録(参考)
  • メーカー名
  • 品番
  • 定格定数
  • 公差
  • パッケージサイズ
  • 温度特性
  • Digi-Key / Mouser / Chip1Stop / RS / コアスタッフの部品ID
  • 環境情報

参考はDigi-Keyです。
抵抗の場合は、メーカー名:ROHM、品番:MCR03ERPF3001、定格定数:1/10W、交差、温特で良さそうです。
部品表に必要な最低限の情報を選択している設計者も多いようです。

部品属性

面倒ですが、部品作成時には「Degikey社、MOUSER社、Chip1Stop社、RS社」の各部品IDを登録しておくと便利です。

登録しておくことで、最新データシートも確認、価格、在庫、EOL情報の共有もできるため、今後の設計時に部品選定、部品調達がかなり便利になります。

モノづくりサービスの『Elefab』への連携で部品調達依頼も簡単になるので、ぜひ登録してください。

以下は参考です。
各社の部品IDを登録しておくことで、設計時に最新情報を閲覧できます。
青の『i』ボタンを押すと各社のDBとの連携で最新情報を見ることができます。

各社のDBとの連携で最新情報を閲覧可能

PCB設計時のパッド寸法、レジスト、メタルマスクの基本サイズ

これはQuadceptを導入いただいた企業様からの問い合わせが多いので、少し触れておきます。

フットプリント作成時は部品メーカーのデータシートを確認しながらパッド作成・配置をしますが、メタルマスクやレジストサイズについては、データシートに記載があるものとないものがあります。

また、レジストやメタルマスク形状は企業のノウハウにもなりますので、確認は必要です。

レジストとは? メタルマスクとは?

ここではレジストとメタルマスクサイズについて簡単に説明します。

レジスト又はソルダーレジスト

ソルダーレジストはプリント基板の表面に塗布し、絶縁膜となる保護インキです。実装の際にはんだが不必要な部分へ付着してショートするのを防止する役割があります。また、ほこりや熱、湿気などから回路パターンを保護し、絶縁性を維持します。

メタルマスク

表面実装部品をプリント基板に実装する際は、自動実装機とよばれる装置により、自動実装を行います。この自動実装を行うためには、プリント基板上にクリーム状のはんだを印刷する必要があります。

そのための印刷板をメタルマスクといいます。

両方、部品実装する際のパッドにはかからないのがレジストでパッド上にクリームはんだを塗布するのがメタルマスクになります。CADでフットプリント作成をする際は、それぞれデータとして作成する必要があります。

一般的な例

以下は一般的な参考になります。どちらも企業ノウハウもあるので確認ください。
レジストの場合、IC(SOP/QFP)などの場合、部品パッド形状に対し、部品の外側をパッドより1.0mm、内側:0.5mm、左右:0.1mm大きいサイズをレジストパッドとして登録します。

メタルマスクはパッドと同形状で作成することが多いようです。
(一般的なサイズです。実装会社や仕事を依頼されるお客様に確認してください)

レジストとメタルマスク

Elefab™️連携で部品調達を簡単に!

部品作成も面倒ですが、部品調達も面倒です。Quadceptではモノづくりサービス『Elefab™️』との連携により、
「基板設計→製造→実装、部品調達」の見積・依頼を簡単にします。

部品調達を便利にするポイント

先程の登録された属性を使用し、部品調達を便利にする方法をご紹介します。

STEP
見積条件用の部品情報を指定

リボンメニュー『確認仕上げ』→『Elefab』→『設定』を開き、ダイアログ下部の『部品情報』にElefab™️に転送する属性情報を指定します。

STEP
Elefab™️に部品情報を転送し、見積作成

メニューの『見積り作成』をクリックすることで、Elefab™️に部品情報を送り、調達依頼がそのまま可能です。
部品表を添付する必要がありません。

STEP
Elefab™️ 部品一覧

QuadceptからElefabへ転送された部品一覧になります。
ここでは『部品支給』『代替部品』の依頼を個別、一括指定が可能になります。
非常に便利ですので、ぜひお試しください。

END

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